立町カヌレ様
QUESTION.01
常務取締役 竹村崇様:
フランスの伝統菓子「カヌレ」の専門店です。2017年12月に中区立町にオープンしました。カヌレ専門店としては広島で初出店となります。
立町カヌレは「Castagna(カスターニャ)」という洋菓子やドレッシングを製造している企業の直営ショップになります。カスターニャの自社ブランド商品として、新感覚の焼きプリン「カタラーナ」や「広島レモンチーズケーキ」などがあり、お客様から好評を頂いております。また、こだわりのドレッシングや抹茶チーズケーキなどを、OEM(相手先ブランド商品)として製造させて頂いております。
「カスターニャ」の本業は製造業であり、お客様と直接関わる機会は限られています。お客様との繋がりを大切にするため、新たに挑戦したのが「立町カヌレ」です。
カヌレと聞いても皆さんあまり馴染みが無いと思います。なぜカヌレ?と思われるかもしれませんが、私も母(専務様)も単純にカヌレが好きなんです(笑)。大好きなカヌレを専門で“細く、高く”突き詰めていこうと思い、お店を始めました。
立町カヌレでは、フランスの伝統菓子としてのプレーンのカヌレだけでなく、抹茶やキャラメルなど、見た目もかわいいバリエーション豊富なフレーバーを6種類ご用意しております。外はカリッと、中はしっとりとした上品な味わいをお楽しみ頂けます。
QUESTION.02
専務取締役 竹村通子様:
立町カヌレをオープンするまでに、たくさんの物語がありました。
元々父の代では東広島西条の地で栗園を営んでおりましたが、夫(現社長様)の代でその土地をファミリー向けのゴルフ場に改装しました。そこにはレストハウスがあり、2階がオープンスペースで空き状態だったんです。お客様にもっと喜んで頂く方法はないかと考え、1999年にピザやパスタのレストランを始めました。レストランの名前は「カスターニャ」。ピザは全10種類くらい、全て手作りで提供しておりました。ゴルフを楽しまれるお客様だけでなく、地元の方々にもよく来て頂きました。
ここまでだと、現在の製造業としての「カスターニャ」が全然思い浮かばないと思うのですが、きっかけは食後のデザートとして提供していた「チーズケーキ」なんです。完成品を仕入れて解凍させるだけのお手軽チーズケーキもありますが、添加物がたくさん入っています。レストラン同様、チーズケーキも心を込めて手作りをしておりました。当時、地元のスーパーにも卸していたのですが、美味しいと口コミで広がり、デパートのチーズケーキフェアにも出品させて頂きました。この経験から、「外販でも道があるのではないか」という思いを持ちました。昼はレストラン、営業終了後は、チーズケーキや卸し用のドレッシングなどを手作りしていました。アルバイトの子たちと楽しく、思いを込めて。これが製造業「カスターニャ」としての第一歩ですね。
QUESTION.03
常務取締役 竹村崇様:
その後、父と母で東区福田にある自宅近くの現工場に移ってきました。OEMの仕事を頂きながら、夫婦2人で製造や商品開発を行っておりました。下請けという立場上、当時は積極的な営業活動はできていなかったそうです。
そうした中、2011年に私は入社をしました。前職では事務関係の仕事に就いておりましたので、営業の経験はありませんでした。「カスターニャ」を今後どうするか。事業を拡大するのか、縮小するのか、父と母は“いつかは自然消滅”という考えもあったそうです。私としては、これまでの長く付き合って頂いている取引先様や仕入先様があるので、この関係を大切にしていきたいという思いがありました。今後のことを考えながら、私も白衣を着て製造の手伝いをしていました。
工場での製造の仕事をしていると、なかなかお客様と直接関わることはできません。レストラン時代、母はお客様と楽しそうに接していました。何よりも接客が大好きだったのです。製造メインとなり、薄れてしまっていたお客様とのつながりを取り戻したい”“以前のようにお客様の声を聞きたい”という思いから、これまで積み重ねてきた取引先様との仕事に加え、“自社ブランド商品を直接お客様にお届けしよう”と考えました。「カタラーナ」がその一つです。私が入社する前、父と母が2人で開発しました。自社ブランドとして販売を開始したところ、お客様にご好評頂き、2015・16年には日本航空さんの国際線で提供される機内スウィーツに選んで頂きました。
「立町カヌレ」も新たな挑戦の一つです。自分の足で土地を探し、デザイン会社さんとタッグを組み、お店づくりを進めました。私自身、これまで営業の経験がなかったので苦労しましたね。右も左も分からない中、信念で突き進みました。店名には「カスターニャ」という名前をあえて入れておりません。新しくお客様との関係性を作っていきたい、そのような思いが込められているからです。
QUESTION.04
常務取締役 竹村崇様:
OEMで取引先様のブランド商品を作らせて頂いている時とは違い、「自社ブランド商品」を販売する場合はパッケージが重要となります。
パッケージ一つをとっても、消耗品だという捉え方もありますし、大切な人への贈答用として…という捉え方もあります。私自身、パッケージはお客様を惹きつける重要な販促物だと考えています。「カスターニャ」ではカタラーナ用の袋やクグロフ用の箱など、タイヨーパッケージさんと何度もやり取りをし、デザインを重視したパッケージを作成しました。「立町カヌレ」でも同様です。オープン前、カヌレは広島であまり馴染みがありませんでした。広島では初となるカヌレ専門店をブランディングする為、タイヨーパッケージさん、デザイン会社さんとタッグを組み、試行錯誤しました。例えば、今使用しているカヌレ用の箱は非常にかさばりますし、在庫スペースも圧迫します(笑)。でも、贈り物やお見舞い品、友達の集まりなどのシーンでは、その場にあると心がパッと明るくなる…そんなパッケージでもあります。
カヌレ同様、パッケージに関しても“想いをかたちに”していきたいです。そうしたお手伝いを誠心誠意行ってくれるのが、タイヨーパッケージさんだと思います。
専務取締役 竹村通子様:
「立町カヌレ」では、レストラン時代のようにお店に立ってお客様と接する機会が多くなり、張り合いのある毎日を過ごしています。接客をしていると、お客様の声をダイレクトに聞く事ができます。今、インスタグラムが流行っていますよね。皆さんたくさん写真を撮って行かれますよ。カヌレを入れている窓付きの紙袋があるのですが、「カヌレが中から覗いていてかわいい」と好評を頂いております。パッケージの使い方次第で商品の魅力を引き立たせることもできます。タイヨーパッケージさんには、そうした提案もして頂いております。
QUESTION.05
専務取締役 竹村通子様:
栗園からゴルフ場のイタリアンレストラン、そしてカスターニャ、立町カヌレ… 父の代からの歴史の積み重ねがあり、お客様とのつながりやOEM、自社商品開発など、その時その時で大切にしてきたものが今に繋がっているのだと感じます。「カスターニャ」はイタリア語で「栗の実」を意味しています。栗園の時代、美味しく実った栗の実でたくさんの人を喜ばせていた時と同じように、素材にこだわった美味しい洋菓子やドレッシングで、お客様を笑顔にし続けたいですね。
常務取締役 竹村崇様:
立町カヌレオープンから1年半が経ちました。当初はお客様に受け入れて頂けるのか不安もありましたが、今では約3割の方がリピーターです。少しずつではありますが、「広島の立町カヌレ」が定着しつつあるのかなと感じます。本当にありがたいですね。これからについてですが、10月に2号店のオープンを控えております。場所はJR広島駅の構内です。「カヌレを贈り物のレパートリーの一つに」という事は以前から考えていますので、今回の出店はチャンスでもあります。広島のお土産といえば、もみじまんじゅうなどの偉大な先輩方がいらっしゃいますが、カヌレもその仲間入りできるよう頑張って参ります。タイヨーパッケージさんで作って頂いた「立町カヌレ」ロゴ入りの紙袋が全国で見られるようなればうれしいですね。今後も応援を宜しくお願いします。
タイヨーパッケージ担当者より
インタビューでは、お客様の生の声や、普段だと伺う事ができないであろう貴重なお話しを伺う事ができました。
今回のインタビューを通じて感じた事を書き記しました。